こどもが発熱して保育園に行けず、お困りになったことはありませんか。
例えば、保育園に入園した乳児は年間に約20日間も病気でお休みをします。入院をするほどではなくても登園登校ができない場合、安静が必要な子もいれば、活気があり保育が必要な子もいれば、途中で病状が変化する子もいます。
病状の変化を見逃さずに状態と年齢に合わせた保育と看護を提供できる場所、こども達にとって信頼のできる大人がいる場所、保護者にとって信頼のできる保育看護の専門家がいる場所、それが「病児保育室」です。
全国に保育所等は3万施設以上あり、認定こども園を含め保育所等に通う園児は約300万人います。それに対し、病児病後児保育施設は全国にまだ約1800施設しかありません。
病児保育室は一般的に市区町村の委託事業として補助金で運営されていますが、補助金で運営している施設でも6~7割が赤字経営となっています。
子育て支援のために病児保育室を運営したいと考えている小児科医はたくさんいます。
しかし新型コロナの影響も重なり、病児保育の運営はさらに厳しいものとなり、閉鎖に追い込まれている施設もあります。
子育て世帯の多くは地元でも実家でもない「アウェイ育児」をしています。子育て世帯のうち約3割は共働き世帯、約2割は1人親世帯です。
こどもが病気になることにより、普通に生活していくこと自体が難しくなるご家庭がたくさんあります。また、病気のときでもこども達は成長します。乳幼児期の成長にとって大切なときに登園できなくなることで、保育の断絶が発生する可能性があります。
病気のときでも、安心安全にこども達が健全な成長発達をできるような保育看護と保護者にとっての就労支援にもなる、いわゆる子育てにおけるセーフティーネットとなるような病児保育室を必要としているご家庭が、現代の子育て世代には多く存在するのです。
2021年4月につむぎこどもクリニックを開院した時、市内の病児保育室は2施設のみで(市内在住家庭のみ利用可)、隣接市でも病児保育室はないかあっても1施設でした。これは共働き世帯や1人親世帯にとって非常に子育てしにくい状況です。こういった地域の実情を知り、多くの子育て家庭が在住や就労している越谷レイクタウンで病児保育室を始めようと決意し、2021年10月に『みんなでつくる病児保育室つむぎのおうち』を開室しました。